いちご100%
「GE~グッドエンディング~」おもしろいねぇ(とりあえず今のところ)
「GE~グッドエンディング~」が道端に落ちていたので、拾ってみた。
第1巻から第7巻まで、一気読みしてしまった。
うん、とりあえず、ここ(第7巻)までは面白かった。
俺は週刊マンガ誌を読んでいないので、事前のインプットは全く無い状態で読み始めた。
読んでいるうちに、なんか、色々とデジャビュを感じた。
。。。おぉ、そうだ「いちご100%」だ、この感じは。
その1:読ませる心理描写
セリフとは別に、コマ内の丸ゴシック文字にて、登場人物の内面を読者に読ませる。
これはいわゆる少女漫画に多い表現手法である。
ここで気になって、作者(流石景)のWikiを見ると「やはり」女性であった。
「やはり」と言ったのは、「いちご100%」の作者との類似点を考えているからである。
そこで、作者が女性であることに起因すると思われる類似点について、以下に続ける。
その2:やっぱり「初めての人」は”特別な人”
「GE~グッドエンディング~」について軽くググって見たところ、ヒロインたちの処女/非処女について色々と騒動があったらしい。
「かんなぎ」の時と同様に、ヒロインが非処女であることが判明した際に熱くなった読者がいて、その読者たちが作者のブログに凸して、結果、ブログは閉鎖されたらしい。
「いちご100%」にも書いたが、女性にとって「初めての人」は一生涯忘れられない存在なのだと思う。
それは、男の俺らがいくら想像しても決して理解できない事だと思う。
「いちご100%」では、「初めての人」は”良い思い出”として機能した。その結果、あのような終わり方をしたのだと思う。
「GE~グッドエンディング~」では、「初めての人」は”悪い思い出”として機能している。
この”悪い思い出”とした事によりネット上では、色々と評判が良くないみたいだ。
「重い」「鬱展開」「昼メロ」「いま時の過激な表現の少女漫画を少年誌に持ち込むな」などなど。。。
う~ん、まぁ、たしかに直接的な表現や描写は無いものの、それをあえて?間接的な表現とする事により、より悶々とさせている点において、この作者は「うまい」と思う。
ほんの一瞬見てしまったモノによって、17歳の男子高校生が想像を広げて悶々とし、また、自分の想像によって苦しむのである。
うん分かるよ、その気持ち。俺の場合は18~19歳の大学1年の時だったがw
当時、この俺に初めて彼女ができた時、「彼女の過去は気にしない」とどれだけ理性的に考えても、やはり気になってしまうのである。
そして、彼女の過去についてなんて聞くことができる訳が無く、自分の想像に対して堂々巡りして、ひとり悶々としたものだ。
俺の場合、「GE~グッドエンディング~」におけるこの様な演出は”あるあるネタ”として理解できるが、”あるあるネタ”として感じられない人にとっては、多少厳しい表現かもしれない。
これは逆説的ではあるが、「GE~グッドエンディング~」では”悪い思い出”として表現することにより、だからこそ、「軽はずみな行動」への戒めとしているように感じられた。
(もっとも、予測不能な事象については判断が難しいが)
その3:進路について悩む(ポジティブなヒロインたち)
才能のある人、将来の目標を持っている人、夢を持っている人などが周囲にいて、それに対して何も持っていない自分が情けなくなり、焦るのである。
そりゃあ、自分の好きな人が「医師を目指している」のが分かったら、多くの人は卑下してしまうと思うよ。
もっとも、医師を目指しているのが好きな人じゃなくて、ただの友人だとしたら、卑下することは無くて、単に「すげぇー」となるだろうけど。
かつての月9ドラマみたいに、生活の中心が恋愛で「いつ仕事してんだ?」となると、これはラブコメの王道である。
いつの頃からか、学園ラブコメに進路をからめることで(多少の?)リアリティを出すことが増えたように思う。
「いちご100%」も「GE~グッドエンディング~」も、ヒロインたちはポジティブだ。
そして、男子主人公はヘタレだw
俺も、高校2年の秋・冬あたりから、進路について悶々としてたよなぁ。。。
堂々巡りの「自己分析」。。。俺は何がしたいんだ?。。。って
その4:love affair(交差するラブビーム)
そしてマンガの場合、ヘタレ主人公は成長して行く。
努力を重ね、様々なことに悩み、乗り越えることで魅力的なキャラになっていく。
そして神様は意地悪であるw
好きな子のために努力をすると、その他の子にも魅力的に映るのである。
その結果、特定の人物に「ラブビーム」が集中するのである。
(ラブコメ的にはおいしい展開だ)
。。。逆に、キャラが立っていない奴には一生ラブビームは届かないのである。。。
もう一度言う、神様は意地悪である。
大学1年の時、高2の時のクラス会があった。
先に書いたように、当時、この俺に初めて彼女と呼べる人ができた。
当時、俺は彼女のために少しだけ努力をした。
もっとも、彼女のためと思っていたのは俺だけで、別に彼女に何かを言われたわけではない。
小さい頃からのデブキャラが嫌でダイエットをした。メガネの代わりにコンタクトをした。
この様なキャラ立ちをして、しばらく大学に通っていた。
まぁ、今に思えば、浅はかであるw
そこへ、高2のクラス会である。
もう一度言う、神様は意地悪である。。。
やり過ぎなくらいにキャラが立った俺に、信じられないことが起こった。
「ラブビーム」の集中砲火(クロスファイア)である。
天使と悪魔の囁きって、ほんとにあるんだな。マンガやアニメみたいだが。
もちろん、誠実な俺は悪魔の囁きに惑わされることはなかった。。。
「彼女持ち」の自分が、目の前の女の子をなるべく傷付けずにするにはどうしたら良いのか?。。。なぁんて言うことを、クラス会の間中、考えていた。
はぁあああ、完全に自己陶酔であるw
その5:総論
今のところ、俺の理解では、
「いちご100%」-(パンツ)+(ヒロインのトラウマ)=「GE~グッドエンディング~」
となっている。
このように、「GE~グッドエンディング~」は、多少テイストや表現・演出が異なるものの、女性作家よる少年誌掲載の高校ラブコメとして、「いちご100%」と近い感じがした。
その他:
【良かったシーン】
・野外フェスでの告白
周囲の雑踏の中、二人の周りの空間だけが切り取られたようだ。
見開きページによる表現と、このページに持って行くコマ運びが絶妙。
・保健室でのキス
体育祭の雑踏の中、二人の周りの空間だけが切り取られたようだ。
(あれ?同じだw)
また、キスシーンまでに、二人の交差する目線のコマ運びが絶妙。
さらに、もう1回キスしたところw(合計2回)
「いちご100%」では台詞で「この後3回キスした」と言うシーンがあった。
1回だけのドラマティックなキスではなく、複数回のキスという点がミソ。
より肉感的だと思うし、動物の本能wに訴える感じがする。
この辺りが、作家の男女差が現れている点の一つだと思う。
俺は、男性作家の考えるエロは”下半身が反応するエロ”であり、
女性作家が考えるエロは”脊髄が反応するエロ”ではないかと考える。
ネット上で批判している人たちは、脊髄反射や脳内物質が分泌する感じがして
”ヤバい”と感じているのではないだろうか?
さて、「GE~グッドエンディング~」はこれからどうなって行くのか?
全ての漢字にルビが付くようなw少年誌での連載なので、バッドエンドはちょっと考えられない。
もし少年誌じゃなかったら、バッドエンドのフラグが立ちまくりであるw
逆に、バッドエンドが回避できない程の現状であるw
この状況からグッドエンディングに持って行けるのであれば、大したものだw
今後が楽しみである。
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