2011年5月20日金曜日

震災4県の業種別GDP(ん?ちょっとおかしくね)

5/19(木)のWBS(テレビ東京)にて、東日本大震災後の漁業に関するレポートをやっていた。

要約すると、
  • 宮城県(知事)から、漁業(漁業権)の国有化・株式会社化が提案され、地元の漁協(組合)は反対している。
  • 地元の漁師(個人)は賛成/反対の両方の意見がある。
  • 概ね、震災被害の大きい人は賛成、被害が少ない人は反対。
  • 会社化により、安定した収入、雇用・後継者不足の問題解消が望めるため賛成。
  • 漁師には「苦労した稼ぎは全て自分のもの」の考えが強いので会社化は馴染まないので反対。
  • 参入した企業は、悪い時はすぐに撤退するので反対。
となる。

インタビューの中で、ある漁師が、
「会社員として漁をしたって、やる気がおきねぇ」
という意味の発言をしていた。

これは、良い時も悪い時も自己責任という個人事業主の考えに近いと言える。

レポートに出てきた漁師歴30~40年の大ベテランは、今までに”良い時”を最大にすべく個人の能力を磨く努力をしてきたのだと思う。

俺は当事者でも関係者でもないが、港や船を流され、海の汚染と風評被害、つまり”悪い時”が長く続くことが今後予想されるので、個人の努力が収入に直結する個人事業の「おいしい面」を期待するのは、しばらくの間は厳しいのではないかと思う。

一方で、宮城県(知事)の提案はある意味合理的だと、俺は思う。

つまり、漁業の国有化・株式会社化は、政治的な意味を抜きにして、漁業のコルホーズ(wiki)/ソフホーズ(wiki)化であるといえる。

旧ソ連のコルホーズ/ソフホーズと違うのは、
  • 政治的な意味(共産主義/社会主義)は無い
  • 政府による生産価格(出荷価格)の保護はしない
  • リソースの共同活用による効率化や生産性の向上
という点だと思う。

もっとも、風評被害への救済という意味では、政府による保護的な価格調整もアリだと思う。
但し、これは期限を決めてのことである。無期限に保護すると生産性の低下につながるだろう。

先に「合理的な」提案だと書いたが、これは、各種の支援策を個々の漁師や漁協に実施するのではなくて、集約された組織に集中して支援する方が効率的で無駄が無いと考えたからだ。

また、レポートの中で「漁業権の取得について、新規参入は難しい」とあり、漁業の株式会社化によって民間の資本の注入が期待できる。これは民間による間接的な支援でもある。
(もちろん、それなりのリターンは求められるが)

震災前から農業における共同会社化など、個人事業主ではなく会社員として就農するケースがあり、テレビ等でレポートされてきた。

今後、農業以外の第一次産業(今回は漁業)にも、資源を共同活用するために、コルホーズ的な組織化が進むのではないだろうか。


さて、VTRによる上記のレポートが終わり、画面はスタジオに戻った。
その後、コメンテーターによる解説が続いた。

その解説の中で、コメンテーターは1枚の図表を示した。それは「震災4県の業種別GDPの比率」であった。

グラフの左から右へ、第一次~第三次産業と並んで、右端には日本全体のGDPが記されていた。

このグラフでコメンテーターが言いたかったのは、グラフの左側の第一次産業(農業・林業・漁業)が、震災4県では日本全体のGDPよりも大きくなっており、第一次産業への支援が急務であるということだった。

うん、まぁ良い。
震災4県における第一次産業への支援の重要性を示すには定量的なデータであると言える。

だがしかし!

グラフを右にたどると、もう一つだけ、日本全体のGDPから飛び出た業種があった。

それは「電気・ガス・水道」であったぁあああw

先のグラフでは、震災4県が第一次産業に依存している割合が大きいことを示しているのだが、それと同じ割合で「電気・ガス・水道」の業種に「依存」しているのである。

意地悪な言い方をすると、天然資源に乏しい日本において、「電気・ガス・水道」を生産・消費する経済活動が、震災4県では日本のGDPよりも大きいのである。

少し考えれば判ることだが、「電気・ガス・水道」において、需要と供給が大きく変化することは考え難い。にもかかわらず、日本のGDPを越えるだけのお金が動いているのである。

俺は経済の専門家ではないが、これは歪な経済活動なんじゃないか?
実態を伴わない経済活動と言う意味では、バブルな経済活動とも言える(のか?)

これだけの経済活動に費やされるお金はどこから出てくるのか?
(たぶん、税金だろう)

これだけの経済活動に費やされるお金はどこへ消えて行くのか?
(立派な農道、市民体育館、市民ホール、町営温泉施設などなど。。。)


さて、最後になるが、先のグラフにて「農・林・水産」以外に、明らかに「電気・ガス・水道」がひとつだけピコーンと飛び出していたのだが、スタジオの誰ひとり、その事には触れなかったw

「華麗にスルー」とは、まさにこの事であったw

ネットでは、「マスコミと東電の陰謀説」が前から言われていたが、今日の出来事は、俺にとって、ちょっとだけそんな感じがした。

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