2011年5月25日水曜日

結局出る杭は打たれるのか?(old schoolをなめてはいけない)

近頃の色々なニュースが俺の中で「なんとな~く」リンクしたので、少し書いてみる。

このエントリーが目的としているのは、未来予想でも、陰謀説の流布でもない。
俺の頭の中で、文字通り「なんとな~く」ピースの形がフィットしたことのまとめみたいなものである。

【その1】

「ダイヤモンド・オンライン」の「山崎元のマルチスコープ」の【第179回】2011年5月4日の記事「
ライブドアと東京電力は何がちがうのか?」を読んだ。

この記事の中で、
株式市場に関わる犯罪の前例を考えると、堀江貴文元ライブドア社長に対する量刑は異例に重い。
ライブドアのケースが「フェア」の範囲内だったかどうかは極めて疑わしい。
一方、世間常識的には、当時の堀江氏の言動は、既存の世間に対していかにも挑発的で、小さな過誤であっても、弱点があれば徹底的に叩かれておかしくなかったとは言える。
この点、彼はいささか世間を甘く見すぎたのかも知れないし、日本の社会を信用しすぎたのかも知れない。
と述べられている。

そして最後には、
結局のところはっきりした理由は分からないが、社会観察としては、ライブドアのような新興企業、あるいは当時の堀江貴文氏のような短期間での成功者と、東京電力のような古い名門企業のメンバーとの間には、暗黙の会員システムの会員(=東電)と非会員(ライブドア、堀江氏)のような扱いの差があるのではないか。
と述べられている。

実を言うと、ライブドアの一件については、俺も授業料を払ったクチである。
(もっとも、ポケットマネーのレベルだが)

株主にはIRレポートが送られて来るので、(当時の)事業内容とその推移を知らされている。
当時、大阪球場でホリエモンコールを叫んでいた若い衆よりも、俺は当事者だったのだ。

俺は常々思うのだが、IT関連のビジネスは錬金術化し易いと考えている。

つまり、
  • 無から有を生み出すことが可能(まさに錬金術)
  • ”持つ者”が不利となり、”持たざる者”が有利となる
  • 早いもの勝ち、やったもん勝ち(デファクト・スタンダード)
などと言えるだろう。

「無から有を生み出すことが可能」と書いたが、正確には、無と思われていた物、もしくは実体を持たない物に価値を与えることが可能と言う意味になる。

つまり、時間、空間、速度(スピード)、品質(クォリティ)の「違い」に付加価値を与えることである。

「そんなのサービス業の基本」と言われればそれまでだが、これらのサービスを提供するのが人間に依存したビジネスでは、人件費抑制のためのローコスト・オペレーションが最大のポイントとなる。

言うまでもなく、IT関連ビジネスではサービス提供の主体は、究極的にはハードウェアとなる。
しかもWeb2.0論で言われていた「チープ革命」により、高速・大容量なハードウェアの価格は下がる一方である。

しかし、IT関連ビジネスおいて人的要素を排除することが収益を上げるポイントではない。

今まで何も存在しないところに需要と供給を作り出すことで新たな「市場」が生まれる。
そしてその「市場」をコントロールする力を独占することで大きな収益が得られる。

これは、IT関連企業が新規サービスの「立ち上げ」と「拡大」に最大限のリソースを注ぎ込む理由である。

また、IT関連企業は特別な設備投資を必要とせず、小さな規模でビジネスをスタートさせることが可能であり、もしダメだったら、ユーザーにごめんなさいして、サービスをたたむことが「許されてしまう」のである。

さて、上記の記事を読んで、俺には最後の「暗黙の会員システム」のところが印象的だった。

【その2】

動画サイトに映画を無許可投稿、警視庁が初摘発」(日経新聞 5/24)と言うニュースがあった。

ネット上では「ニコ厨ざまぁ」「いいぞ、どんどん逮捕しろ」「ニコ動も取り締まれ」などの意見が見られた。

この記事やテレビ報道をどう見るか。
これはニコニコ動画に対するキャンペーンのひとつではないか、と俺は思う。

今後、著作権に触れる動画については、うp主が自ら削除するのではないだろうか。
これにより、ニコ動へのアクセス数が減少することは避けられないだろう。

俺は、最近ニコ動が”ちょーしこいてんなぁ”と感じることが増えたように思う。

最初に目に付いたのはテレビCMだった。
深夜アニメ枠以外では見たことはないが「ほぉ、ニコ動も番組スポンサーやるほどになったんだ」と思ったものだ。

次に気が付いたのはテレビCMの内容だった。
コンサートやミュージカルを主催すると言うものだったが、従来のチケットに相当する「リアルチケット」と、それとは別に「ネットチケット」を用意すると言うことだった。

これはチケットのネット通販のことではなくて、上演されるライブのネット中継を自宅のPCで視聴するためのチケットのことである。

これにより、興行の主催者は演目に必要な「時間」と「空間」の拡大に成功したのである。
そして、新たに拡大した「時間」と「空間」に値段を付けてサービスを提供したのである。

当初は「うまいこと考えたなぁ」と思った。
先にわざわざ「興行」と書いたが「従来の興行ビジネスの関係者(ステークホルダー)たちには、面白くない話しだろうなぁ」とも思った。

一般人の俺でも思いつく利害関係者たち
  • 一生懸命に設備投資したチケット販売業者
  • ライブ会場での物販収益に関連する人たち
  • パッケージ化(CD、DVD、書籍)の収益に関連する人たち
  • 一次使用、二次使用コンテンツを各種メディアに広告・宣伝する人たち
などなど。。。

そして、最近ではアニメ上映会などを「公式」チャンネルにて、有料/無料で実施している。
もちろん、時間と空間とクォリティに優れている方式は有償である。

上記のコンサートやミュージカルは、コンテンツ的には微妙であった。
どちらかと言うと、マイノリティの、マイノリティによる、マイノリティのためのコンテンツであった。

当時「な~んで、こんなしょぼいことやるかなぁ」と思っていたが、今にして思えば、メジャーなコンテンツを扱う際の実験(マーケティング)だったのではないだろうか。

技術的な課題の検討もあるだろうが、どれだけの人がお金を払って見てくれるだろうかと言う、文字通りのマーケティングリサーチだったのだろう。

このアニメ上映会は単なるアニメコンテンツのネット配信ではない。
ニコ動お得意のコメント共有機能によって、単なる視聴者から観客(になったような気)になるのである。
実際には存在しない空間を共有した気になるのである。


もしニコ動が空気を読んでいて、ライブドアの二の舞にはならないと考えていたら、上記のステークホルダーたち(既得権を持つ人たち)に少しずつでもお金を落としていることだろう。(保険だな)

ただ、メジャーなアニメコンテンツを使ってのビジネスは、ステークホルダーたちには面白くないのかもしれない。
「これ以上、おいしい事になる前にお灸を据えておこう」と言うのが、今回の逮捕劇に見る俺の考えだ。

【総論】

今回の逮捕劇は、従来のP2Pがらみの著作権侵害とは違う感じがした。
お昼のニュースにて、凶悪犯並みの扱いである。

これにより、
  • 犯した罪に対する(社会的)制裁がキツい
  • どちらもホリエモンが登場する
ので、俺の中で【その1】と【その2】がリンクしたのである。

俺には、著作権侵害のためと言う理由の向こう側に、ニコ動に対する「何か」が見えた気がした。
今後、ニコ動に対する「追い込み」はキツくなって行くのだろうか?
あるいは。。。

2011年5月22日日曜日

「魔法少女おりこ☆マギカ」おもしろいね(同時に、こえぇー)

「魔法少女おりこ☆マギカ」の第1巻を読んだ。

うん、おもしろいね。

いわゆる「スピンオフ」としても、良くできた話しだと思う。(今のところ)
「まどか☆マギカ」の本編に対して、イイ感じに物語が絡んでいる。

どちらかと言うと、「かずみ☆マギカ」の方が「スピンオフ」色が濃いかもしれない。
いわゆる「外伝」的要素が強いと思う。
(舞台背景や各種の設定を共有して、全く別の話しとする)

例えばスタートレックの様に、「スピンオフ」作品に他のシリーズのキャラクターが登場する事がある。
その理由として、
  • ファンサービス
  • テコ入れ
などが考えられる。

「おりこ☆マギカ」では「まどか☆マギカ」のキャラクターが登場する。
それらのシーンではキャラクターの台詞が声優の声で脳内再生される。これはとても楽しいw

アニメ化された作品のコミックやノベルを読む時、これらの台詞が脳内再生されるのはとても楽しく、また、人の脳ってすげぇーなと思う瞬間でもある。

「おりこ☆マギカ」は「まどか☆マギカ」(本編)の内容を裏打ちする様に話しが進む。(今のところ)
まるで、同人誌にて元ネタの内容をフォローするような感じに見える。
もっとも、最近の同人誌はいかにエロ展開に持って行くか?がメインになっているがw

そう言う意味では「おりこ☆マギカ」は、非常に丁寧に内容が練られた「まどか☆マギカ」の二次創作的な存在とも言えるだろう。

と言うのも、「おりこ☆マギカ」は新しい物語を提示しつつも、「まどか☆マギカ」のキャラクターに深みを与えることに成功しているからだ。(今のところ)

従って、「おりこ☆マギカ」の読後に「まどか☆マギカ」を見ると、キャラクターたちが今までとは違った視点で見ることができるかもしれない。
キャラクターたちの「まどか☆マギカ」での行動や発言の意味は、「おりこ☆マギカ」での出来事が作用しているのでは?と考えることができるかもしれない。

「おりこ☆マギカ」は「魔法少女○○○☆マギカ」シリーズの世界観の展開に貢献していると思う。


。。。だが、しかぁし!

絵が怖いいいいい! すげぇーこわいw

ページをめくるのが怖いくらいだw
こんな感じは「ひぐらし」のコミック以来だw

「ぜってー、次のページで脅かされるはずだぁ」(ぺらっ)「うわぁきたーw」

作者の「ムラ黒江」って何者だ? 少しググってみたけど判らなかった。

「ひぐらし」のコミカライズは複数の人が書いているが、絵柄と言うか、顔芸と言うか、脅かし方が「ひぐらし」のコミックみたいで、すげーこわいw

決してダイレクトな表現ではないのに、精神的にじわじわくるw

頼むから、ほどほどにしてくれませんか? 夜に読むのが怖いからw


。。。となると、「マギカ」シリーズの「ほのぼの日常系」が読みたくなるねぇw

「エヴァ」じゃないけど、ほのぼの学園モノとかもアリかもしれないw


とりあえず、「おりこ☆マギカ」の今後の展開が楽しみだ。

関連記事:
(第6話まで)「魔法少女まどか☆マギカ」すげぇ その1(たぶん)
(第7話)「魔法少女まどか☆マギカ」すげぇ その2
(第8話)「魔法少女まどか☆マギカ」すげぇ その3
(第9話)「魔法少女まどか☆マギカ」すげぇ その4
(第10話)「魔法少女まどか☆マギカ」すげぇ その5

(ここで「東日本大震災」が発生)

「魔法少女まどか☆マギカ」この後どうなるの。。。
「まどマギ欠乏症」(俺もだ)
「まどマギ欠乏症」への対処(まどマギ成分補給)
「まどマギ欠乏症」への対処 その2(じゃあ、お薬出しておきましょう)

(第10話、第11話、第12話の放映日決定)

「まどマギ欠乏症」への対処 その3(事態は収束へ向かうのか?)

(第10話、第11話、第12話)「魔法少女まどか☆マギカ」すごかったネ(心地よい余韻とは何だろう?)

「魔法少女おりこ☆マギカ」おもしろいね(同時に、こえぇー)

2011年5月20日金曜日

震災4県の業種別GDP(ん?ちょっとおかしくね)

5/19(木)のWBS(テレビ東京)にて、東日本大震災後の漁業に関するレポートをやっていた。

要約すると、
  • 宮城県(知事)から、漁業(漁業権)の国有化・株式会社化が提案され、地元の漁協(組合)は反対している。
  • 地元の漁師(個人)は賛成/反対の両方の意見がある。
  • 概ね、震災被害の大きい人は賛成、被害が少ない人は反対。
  • 会社化により、安定した収入、雇用・後継者不足の問題解消が望めるため賛成。
  • 漁師には「苦労した稼ぎは全て自分のもの」の考えが強いので会社化は馴染まないので反対。
  • 参入した企業は、悪い時はすぐに撤退するので反対。
となる。

インタビューの中で、ある漁師が、
「会社員として漁をしたって、やる気がおきねぇ」
という意味の発言をしていた。

これは、良い時も悪い時も自己責任という個人事業主の考えに近いと言える。

レポートに出てきた漁師歴30~40年の大ベテランは、今までに”良い時”を最大にすべく個人の能力を磨く努力をしてきたのだと思う。

俺は当事者でも関係者でもないが、港や船を流され、海の汚染と風評被害、つまり”悪い時”が長く続くことが今後予想されるので、個人の努力が収入に直結する個人事業の「おいしい面」を期待するのは、しばらくの間は厳しいのではないかと思う。

一方で、宮城県(知事)の提案はある意味合理的だと、俺は思う。

つまり、漁業の国有化・株式会社化は、政治的な意味を抜きにして、漁業のコルホーズ(wiki)/ソフホーズ(wiki)化であるといえる。

旧ソ連のコルホーズ/ソフホーズと違うのは、
  • 政治的な意味(共産主義/社会主義)は無い
  • 政府による生産価格(出荷価格)の保護はしない
  • リソースの共同活用による効率化や生産性の向上
という点だと思う。

もっとも、風評被害への救済という意味では、政府による保護的な価格調整もアリだと思う。
但し、これは期限を決めてのことである。無期限に保護すると生産性の低下につながるだろう。

先に「合理的な」提案だと書いたが、これは、各種の支援策を個々の漁師や漁協に実施するのではなくて、集約された組織に集中して支援する方が効率的で無駄が無いと考えたからだ。

また、レポートの中で「漁業権の取得について、新規参入は難しい」とあり、漁業の株式会社化によって民間の資本の注入が期待できる。これは民間による間接的な支援でもある。
(もちろん、それなりのリターンは求められるが)

震災前から農業における共同会社化など、個人事業主ではなく会社員として就農するケースがあり、テレビ等でレポートされてきた。

今後、農業以外の第一次産業(今回は漁業)にも、資源を共同活用するために、コルホーズ的な組織化が進むのではないだろうか。


さて、VTRによる上記のレポートが終わり、画面はスタジオに戻った。
その後、コメンテーターによる解説が続いた。

その解説の中で、コメンテーターは1枚の図表を示した。それは「震災4県の業種別GDPの比率」であった。

グラフの左から右へ、第一次~第三次産業と並んで、右端には日本全体のGDPが記されていた。

このグラフでコメンテーターが言いたかったのは、グラフの左側の第一次産業(農業・林業・漁業)が、震災4県では日本全体のGDPよりも大きくなっており、第一次産業への支援が急務であるということだった。

うん、まぁ良い。
震災4県における第一次産業への支援の重要性を示すには定量的なデータであると言える。

だがしかし!

グラフを右にたどると、もう一つだけ、日本全体のGDPから飛び出た業種があった。

それは「電気・ガス・水道」であったぁあああw

先のグラフでは、震災4県が第一次産業に依存している割合が大きいことを示しているのだが、それと同じ割合で「電気・ガス・水道」の業種に「依存」しているのである。

意地悪な言い方をすると、天然資源に乏しい日本において、「電気・ガス・水道」を生産・消費する経済活動が、震災4県では日本のGDPよりも大きいのである。

少し考えれば判ることだが、「電気・ガス・水道」において、需要と供給が大きく変化することは考え難い。にもかかわらず、日本のGDPを越えるだけのお金が動いているのである。

俺は経済の専門家ではないが、これは歪な経済活動なんじゃないか?
実態を伴わない経済活動と言う意味では、バブルな経済活動とも言える(のか?)

これだけの経済活動に費やされるお金はどこから出てくるのか?
(たぶん、税金だろう)

これだけの経済活動に費やされるお金はどこへ消えて行くのか?
(立派な農道、市民体育館、市民ホール、町営温泉施設などなど。。。)


さて、最後になるが、先のグラフにて「農・林・水産」以外に、明らかに「電気・ガス・水道」がひとつだけピコーンと飛び出していたのだが、スタジオの誰ひとり、その事には触れなかったw

「華麗にスルー」とは、まさにこの事であったw

ネットでは、「マスコミと東電の陰謀説」が前から言われていたが、今日の出来事は、俺にとって、ちょっとだけそんな感じがした。

関連記事:
地震すごかった(東京マグニチュード8.0っぽい)
電波時計が同期していない
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計画停電きたー その2
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今日は卒園式(やっぱりうちは停電しないっぽい)
計画停電の詳細化(それでも、うちは停電しないだろう。。。)
PM試験が延期になった
江頭2:50△(エガちゃん、すげぇよ) プロジェクトを成功させるためのFEMA論
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求む世紀末救世主(自警団がヒャッハー)
震災4県の業種別GDP(ん?ちょっとおかしくね)

2011年5月5日木曜日

「GE~グッドエンディング~」おもしろいねぇ(とりあえず今のところ)

関連記事:
いちご100%
「GE~グッドエンディング~」おもしろいねぇ(とりあえず今のところ)

「GE~グッドエンディング~」が道端に落ちていたので、拾ってみた。
第1巻から第7巻まで、一気読みしてしまった。

うん、とりあえず、ここ(第7巻)までは面白かった。

俺は週刊マンガ誌を読んでいないので、事前のインプットは全く無い状態で読み始めた。
読んでいるうちに、なんか、色々とデジャビュを感じた。

。。。おぉ、そうだ「いちご100%」だ、この感じは。

その1:読ませる心理描写

セリフとは別に、コマ内の丸ゴシック文字にて、登場人物の内面を読者に読ませる。
これはいわゆる少女漫画に多い表現手法である。

ここで気になって、作者(流石景)のWikiを見ると「やはり」女性であった。
「やはり」と言ったのは、「いちご100%」の作者との類似点を考えているからである。

そこで、作者が女性であることに起因すると思われる類似点について、以下に続ける。

その2:やっぱり「初めての人」は”特別な人”

「GE~グッドエンディング~」について軽くググって見たところ、ヒロインたちの処女/非処女について色々と騒動があったらしい。

「かんなぎ」の時と同様に、ヒロインが非処女であることが判明した際に熱くなった読者がいて、その読者たちが作者のブログに凸して、結果、ブログは閉鎖されたらしい。

いちご100%」にも書いたが、女性にとって「初めての人」は一生涯忘れられない存在なのだと思う。
それは、男の俺らがいくら想像しても決して理解できない事だと思う。

いちご100%」では、「初めての人」は”良い思い出”として機能した。その結果、あのような終わり方をしたのだと思う。

「GE~グッドエンディング~」では、「初めての人」は”悪い思い出”として機能している。
この”悪い思い出”とした事によりネット上では、色々と評判が良くないみたいだ。
「重い」「鬱展開」「昼メロ」「いま時の過激な表現の少女漫画を少年誌に持ち込むな」などなど。。。

う~ん、まぁ、たしかに直接的な表現や描写は無いものの、それをあえて?間接的な表現とする事により、より悶々とさせている点において、この作者は「うまい」と思う。

ほんの一瞬見てしまったモノによって、17歳の男子高校生が想像を広げて悶々とし、また、自分の想像によって苦しむのである。

うん分かるよ、その気持ち。俺の場合は18~19歳の大学1年の時だったがw

当時、この俺に初めて彼女ができた時、「彼女の過去は気にしない」とどれだけ理性的に考えても、やはり気になってしまうのである。
そして、彼女の過去についてなんて聞くことができる訳が無く、自分の想像に対して堂々巡りして、ひとり悶々としたものだ。

俺の場合、「GE~グッドエンディング~」におけるこの様な演出は”あるあるネタ”として理解できるが、”あるあるネタ”として感じられない人にとっては、多少厳しい表現かもしれない。

これは逆説的ではあるが、「GE~グッドエンディング~」では”悪い思い出”として表現することにより、だからこそ、「軽はずみな行動」への戒めとしているように感じられた。
(もっとも、予測不能な事象については判断が難しいが)

その3:進路について悩む(ポジティブなヒロインたち)

才能のある人、将来の目標を持っている人、夢を持っている人などが周囲にいて、それに対して何も持っていない自分が情けなくなり、焦るのである。

そりゃあ、自分の好きな人が「医師を目指している」のが分かったら、多くの人は卑下してしまうと思うよ。
もっとも、医師を目指しているのが好きな人じゃなくて、ただの友人だとしたら、卑下することは無くて、単に「すげぇー」となるだろうけど。

かつての月9ドラマみたいに、生活の中心が恋愛で「いつ仕事してんだ?」となると、これはラブコメの王道である。
いつの頃からか、学園ラブコメに進路をからめることで(多少の?)リアリティを出すことが増えたように思う。

いちご100%」も「GE~グッドエンディング~」も、ヒロインたちはポジティブだ。
そして、男子主人公はヘタレだw

俺も、高校2年の秋・冬あたりから、進路について悶々としてたよなぁ。。。
堂々巡りの「自己分析」。。。俺は何がしたいんだ?。。。って

その4:love affair(交差するラブビーム)

そしてマンガの場合、ヘタレ主人公は成長して行く。
努力を重ね、様々なことに悩み、乗り越えることで魅力的なキャラになっていく。

そして神様は意地悪であるw
好きな子のために努力をすると、その他の子にも魅力的に映るのである。
その結果、特定の人物に「ラブビーム」が集中するのである。
(ラブコメ的にはおいしい展開だ)

。。。逆に、キャラが立っていない奴には一生ラブビームは届かないのである。。。

もう一度言う、神様は意地悪である。

大学1年の時、高2の時のクラス会があった。
先に書いたように、当時、この俺に初めて彼女と呼べる人ができた。

当時、俺は彼女のために少しだけ努力をした。
もっとも、彼女のためと思っていたのは俺だけで、別に彼女に何かを言われたわけではない。

小さい頃からのデブキャラが嫌でダイエットをした。メガネの代わりにコンタクトをした。
この様なキャラ立ちをして、しばらく大学に通っていた。
まぁ、今に思えば、浅はかであるw

そこへ、高2のクラス会である。

もう一度言う、神様は意地悪である。。。

やり過ぎなくらいにキャラが立った俺に、信じられないことが起こった。
「ラブビーム」の集中砲火(クロスファイア)である。

天使と悪魔の囁きって、ほんとにあるんだな。マンガやアニメみたいだが。
もちろん、誠実な俺は悪魔の囁きに惑わされることはなかった。。。

「彼女持ち」の自分が、目の前の女の子をなるべく傷付けずにするにはどうしたら良いのか?。。。なぁんて言うことを、クラス会の間中、考えていた。

はぁあああ、完全に自己陶酔であるw

その5:総論

今のところ、俺の理解では、

いちご100%」-(パンツ)+(ヒロインのトラウマ)=「GE~グッドエンディング~」

となっている。

このように、「GE~グッドエンディング~」は、多少テイストや表現・演出が異なるものの、女性作家よる少年誌掲載の高校ラブコメとして、「いちご100%」と近い感じがした。

その他:

【良かったシーン】

・野外フェスでの告白

周囲の雑踏の中、二人の周りの空間だけが切り取られたようだ。
見開きページによる表現と、このページに持って行くコマ運びが絶妙。

・保健室でのキス

体育祭の雑踏の中、二人の周りの空間だけが切り取られたようだ。
(あれ?同じだw)
また、キスシーンまでに、二人の交差する目線のコマ運びが絶妙。
さらに、もう1回キスしたところw(合計2回)

いちご100%」では台詞で「この後3回キスした」と言うシーンがあった。

1回だけのドラマティックなキスではなく、複数回のキスという点がミソ。
より肉感的だと思うし、動物の本能wに訴える感じがする。

この辺りが、作家の男女差が現れている点の一つだと思う。

俺は、男性作家の考えるエロは”下半身が反応するエロ”であり、
女性作家が考えるエロは”脊髄が反応するエロ”ではないかと考える。

ネット上で批判している人たちは、脊髄反射や脳内物質が分泌する感じがして
”ヤバい”と感じているのではないだろうか?


さて、「GE~グッドエンディング~」はこれからどうなって行くのか?

全ての漢字にルビが付くようなw少年誌での連載なので、バッドエンドはちょっと考えられない。
もし少年誌じゃなかったら、バッドエンドのフラグが立ちまくりであるw
逆に、バッドエンドが回避できない程の現状であるw

この状況からグッドエンディングに持って行けるのであれば、大したものだw
今後が楽しみである。

関連記事:
いちご100%
「GE~グッドエンディング~」おもしろいねぇ(とりあえず今のところ)